せっかくAnalog Fourを買ったので、今更ながらきちんとシンセを勉強することにしました。
・Analog Four - Elektron
http://www.elektron.co.jp/synths/analog-four/
EMX-1のおかげで「シンセの仕組み」くらいは分かっていましたので『なんとかなるだろう』と思っていたのですがなんともなりませんでした。シンセサイザーは勉強しないとダメですね。ちなみに今はMK2なる次世代機が発売されているようです。
「オシレーターについて」
・オシレーターの選び方
音作りにおいて最初にすることがオシレーターの選択ですが、この段階で音の方向性といったものがある程度決まります。オシレーターの選択で重要なのが「倍音」の大小です。オシレーターにおいて基本的な波形は「SAW」「SQUARE(PULSE)」「TRIANGKE」「SINE」の4種類ですが、この順番に従って倍音が小さくなっていきます。
SAW>SQUARE(PULSE)>TRIANGLE>SINE(※SINEは倍音無し)
わざわざ書くまでもありませんが上のような関係図です。とても確認することなど出来ないのですが、世の中のオシレーターの大部分がこの並びになっているのではないでしょうか。
倍音が大きい(多い?)ほど有機的な音になりますので、音の厚みが欲しかったりする場合はSAW波形を選ぶのがセオリーということになります。逆に機械的で無機質な音が欲しい場合はTRIANGLEやSINEを選ぶということですね。
(参考URL)
http://help.apple.com/logicpro/mac/9.1.6/jp/logicpro/instruments/index.html
このように最初にオシレーターを選択する段階で作れる音の範囲がある程度絞られます。もちろん他のパラメーターやエフェクト設定で変化させることもできると思いますが、基本として知っておいた方が良いようです。
・オシレーターのパラメーターについて
パラメーターが日本語だったらもっと楽だったりするのでしょうか・・。「TUNE(チューニング)」
TUNEとは音程(ピッチ)のことです。ピアノ鍵盤を数値化すると考えれば分かりやすいでしょうか。+1すれば半音上がり、+12にすればオクターブが1つ上がります。そんなわけで、「C1(TUNE+12)」と「C2(TUNE±0)」の音は全く同じとなります。
DAWの場合ではMIDIで打ち込むことになりますので、オシレーター側で音程を調節するよりもMIDIで打ち込み位置を調節した方が感覚として分かりやすいところです。上の例を使うのであれば、わざわざTUNEを+12するよりも鍵盤をひとつ上のオクターブで打ち込めばいいわけですからね。
しかしながらTUNEを無視してよいのかと言えばそんなことはありません。何故かといえば、シンセサイザーにはほとんどの場合でオシレーターが複数内蔵されているからです。
Analog Fourには2つのオシレーターが内蔵されています。ステップシーケンサーを使って適当に打ち込んだ場合のことを考えると、オシレーター1/オシレーター2に送られるMIDI信号は当然ですが同一となります。しかしながら、ここでオシレーター2のTUNEを+12とすると、ひとつ上のオクターブで音が再生されますので音を「コード化」することができます。このようにオシレーター間にピッチの差を設定することで作り出せる音もあります。
シンセサイザーの音はオシレーターの組み合わせで決まりますので、TUNEによる音程設定は重要です。打ち込んだ後でオクターブを移動させる場合に使うことも少なくありません。
Analog Fourでは一番最初の場所に位置しています。重要度が良くわかりますね。
「FINE(ファイン/ファインチューニング)」
これも音程設定用のパラメーターです、TUNEより細かい単位でピッチを変化させます。FINEは各シンセサイザーによって調節できる範囲が違ったりしますが、Analog Fourは半音(※ちなみに半音は100centと表現するそうです)まで増減できるようになっています。Analog Fourについて言えば、「FINE最大=1NOTE」という図式になります。
FINEもTUNEと同様にオシレーター間のピッチをずらして音を作るわけですが、FINEの場合はちょっと音程がズレた感じの効果を作ることができます。FINEの場合は単位が大きいため、和音的な感じの効果となります。
「DETUNE(デチューン)」
これも音程設定用のパラメーターです。FINEとの違いですが、DETUNEは音程ではなく周波数そのものをずらすようなイメージです。波形そのものがずれますので、モジュレーションのような「うねり」を作ることが出来ます。FINEの場合は単純にピッチをずらすだけですのでモジュレーション的な効果は生まれません。
FINEやDETUNEの効果を強く出すためには複数のオシレーター使用してズレを作らなければいけません。Analog Fourの場合はオシレーター1/オシレーター2を両方使う必要があります。
「TRK(キートラック)」
TRKをOFFにするとピッチが無効化されます。ピッチが無効化されるのでキーボードでどの位置を叩いても同じ音しか再生されません。音が一定であるためドラムサウンド的なものを作る場合に有効です。この場合においてピッチを変化させるときはTUNEを使います。
「LEV(レベル)」
Analog Four独自の機能(のよう)なのでちょっと難しいです。イメージとしてはゲインのような感じでしょうか。LEVを上げると音の密度のようなものが濃くなり、ノイジーな感じになっていきます。LEVをゼロにすると基本的には音は再生されなくなります。
LEVはフィルター(※レゾナンス)を強調したい場合に効果が発揮されるようです。LEVを下げるとレゾナンスがぐぐっと強調されます。レゾナンスを強く効かせている場合はLEVをゼロにしても音が再生されます。
「WAV(ウェーブフォーム)
シンセサイザーの心臓部である波形です。Analog FourにはINPUT端子がついているため、外部からの音源をオシレーターとして代用することができます(※各波形については最初で触れている部分ですので飛ばします)。とはいえ、この場合は波形ではありませんのでTUNE等のパラメーターを弄っても効果があるわけではありません。
しかしながら、Analog Fourのフィルター通したりエフェクトを掛けたりするといったことは可能です。Analog Fourのエフェクトは非常に強力(らしい)ので、この機能が有効になる場合もありそうです。DAWの場合でも、PCパワーを節約するためにエフェクトにはAnalog Fourを使う・・というやり方も出来ます(これが現実的であるかどうかは分かりませんが)。
また、オーディオ端子が足りない場合もAnalog Fourから出力すれば端子数が節約が出来たりします(そんなことするくらいならオーディオインターフェイスを新調した方が良いとは思いますが)。
外部音源を使用する場合は「INT L/R」を選びます。ほとんどの場合で2chだと思いますので、オシレーター1にINT L/・オシレーター2にINT Rを設定することになるでしょう。
「FDB」というものもあるのですが、これが良く分かりません。
「SUB(サブオシレーター)」
その名の通りサブのオシレーターです。言葉で表現すれば簡単なのですが使い所が難しい部分です。Analog Fourのサブオシレーターは「1OCT」「2OCT」「2PUL」「5th」から選ぶことが出来ます。「1OCT」は1オクターブ下、「2OCT」は2オクターブ下のオシレーターを再生します。使用すると当然ですが音が増えるため、和音的になります。
Analog Fourではサブオシレーターの音量調節はできません。
「PW(パルス・ワイド)」
オシレーター波形の形(振幅)を変更します。パルス幅は視覚的な変化であるため数字だけでは中々イメージを掴み難いです。Analog Fourの場合はoverを使用すると良く分かります。幅が大きいほど音は強調されるようになります。
「SPD(スピード)」「PWM(パルス・ワイド・モジュレーション)」
この2つはまとめて覚えたほうがいい部分でしょう。PWMはPulse Width Modulationの省略形で、その名の通りPWのモジュレーション量を示します。「量」ですので、ここをゼロにするとモジュレーションは発生しません。波形の状態にもよりますが、PWMを加えると音が大きくなったり小さくなったりします。いわゆる「時間的変化」と呼ばれる要素です。
SPDはPWMが変化するスピードをコントロールします。小さくするとゆっくりとモジュレーションが加わり、大きくすると高速になります。
以上がAnalog Fourのオシレーターの基本的な部分になります。
Analog Four単体で見ると分かりにくいのですが、Overbridge上で見ればこの部分です。
信号回路だとこの部分ですね。
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