使うDAWソフトは「Ableton live(以下live)」です。ちなみにバージョン8を使ってます(※現在はバージョン9がリリースされています、不具合が起きたら恐いのでしばらくは様子見)。
他のDAWソフトでももちろん可能です。フリーのDAWソフトだと「Studio One」や「FL Studio」があります。「Studio One」はフリーソフトでありながらプロジェクトの保存ができてしまうという素晴らしいソフトです。SoundFontファイルも読めますので予算を掛けずにかなりの環境を作ることができます。ちなみにSoundFontファイルはフリーのものがネット上にたくさんあります。
DAWソフトではありませんが、有名なMIDI音楽編集ソフトである「domino」でも同じことができるのではないでしょうか。試してはいないのですが環境設定を見る限りではできそうな感じがします。
ただ、EMX-1との相性を考えればLiveが一番で使いやすく何よりも直観的に理解しやすいと思います。
「EMX-1とAbleton Liveの類似性について」

liveが他のDAWソフトと違うのは「セッションビュー(上の画像にあたります)」というものを持っていることです。他のDAWソフトは横方向に展開されていくのがほとんどですが、このセッションビューは下方向に展開していきます。「セッションビューの状態≒EMX-1」と考えて頂ければとても分かりやすいです。
上の図だと横方向に9列程カラフルなボックスが並んでいますが、これがEMX-1で言うところのドラムパート①~⑦・シンセパート①~⑤に当たります。EMX-1はパート数に限りがありますが、liveは無限大にパートを増やすことが出来ます。
また、右端の縦方向に1~8までの番号が振ってありますが、これがEMX-1でいうところのパターンであり、A01やD64に当たります。liveはEMX-1と同じようにパターンを組み合わせて曲を作っていくDAWソフトです。
「EMX-1とAbleton liveを接続する」
MIDIデータ転送までの手順としては以下のようになります。①EMX-1とPCを繋ぐ
②EMX-1のMIDI設定を行う
③LIVEのMIDI設定を行う
④LIVEでフレーズを打ち込む
⑤LIVEでフレーズを再生し、EMX-1でMIDIを記録する(※必須ではないですが)
これといった知識は不要です、MIDIについての知識が無くても問題ありません。
①EMX-1とPCを繋ぐ
PCとの接続は「USB MIDIケーブル」を使います。片方がUSB、もう片方がMIDI端子になっています。アマゾンで500円くらいで売っていたりします。EMX-1との接続はMIDI OUTに「IN」、MIDI IN に「OUT」を繋ぎます。
②EMX-1のMIDI設定を行う
EMX-1側のMIDI設定をします。設定と言ってもMIDI設定を「Ext」にして、レングスの長さをLIVE側のフレーズの長さに合わせるだけです(※若干問題点がありますが後記します)。
「Ext」は外部機器をマスターにする時の設定です。今回はliveからデータを送って貰うので『liveがマスター』『EMX-1がスレーブ』になります。EMX-1側から送るときは「int」に設定します。ちなみにデフォルトでは「int」になっています。
このEXTとINTの概念はDAWにとって非常に重要になります。実際はEMX-1をAUTOにしていても機能するのですが、大切なので書いておきました。
③LIVEのMIDI設定を行う
EMX-1とPCを繋げた状態でliveを起動すると勝手にドライバがインストールされます。特に詳しくありませんがXP以上ならおそらくは大丈夫だと思います。
環境設定から「MIDI Sync」を開き上画像のような状態にします。この場合ですと「USB2.0-MIDI」と表示されているのがEMX-1です。
「MIDIOUT2」は無視します。トラックを重ねすぎると信号が二重に送られてしまうので、BPMが二倍になったりすることがあります。
さらに、左端にある▽をクリックして詳細表示を出して上の様に設定します。ほとんどデフォルトのままですが、「input」の同期タイプが「MIDI Clock」になっていることを確認します。これでMIDI設定は終了です。
④LIVEでフレーズを打ち込む
Live側で打ち込みます。単純なシーケンスだけでなく「音の長さ」と「音の強弱(ベロシティ)」もMIDIデータとして反映されるようになっています。当然ですがEMX-1はモノフォニックシンセサイザーですので和音は録音できません。単音で打ち込みます。
⑤LIVEでフレーズを再生し、EMX-1で録音する
打ち込んだフレーズのパート下部にある「MIDI TO」を「USB2.0-MIDI」にして、そのパートを送りたいEMX-1側のチャンネルを決めます。こうすることで「外部MIDIコントローラーと繋ぐ」の時と同じように、live側からEMX-1を操作することができます。
あとはEMX-1を録音待機状態にしてlive側でフレーズを再生すれば、同期された録音状態のEMX-1がliveから送られてきたMIDIデータを勝手に記録してくれます。
※動画リンク消失
撮るまでもないかもしれませんが作業をしてみた動画です。
動画内では以下の様なことをしています。
・EMX-1を外部クロック状態にする
・liveで適当にフレーズを打ち込む
・EMX-1で録音する
・録音されたものを確認する
※問題点
①レングスをフルに使った場合は録音が出来ない部分がある
説明するのが難しいのですが、EMX-1側が音を録音し『終わる』までに若干の時間差があります。
仮に、8レングス(8小節目)の⑮に打ち込んだ音を録音するとします。この場合に⑮の音が録音されるまでに時間差があるため、⑮の音が録音し『終わる』前にフレーズがループされることになり、EMX-1は再び1小節の冒頭の音を録音しようとします。こうなったときに、重ねて録音『しようとする』部分の音が消えてしまう現象が発生してしまいます。
これを回避するには以下の方法があります。
A 時間差を超えるような長い音を使う(音の間隔を大きく取る)
B レングスを8まで使わない
C live側のフレーズを変更して二重に録音する
最も頻度が高いのがCだと思います。「8小節後半の音を録音して、1小節の冒頭の音が消えてしまった」ならば、live側のシーケンサーで1小節目の部分(消えた部分)だけを残してあとは消去します。この状態で再度録音すれば、重なる部分がありませんので音が消えるという現象は起きません。
②細かい音だと録音し忘れる時がある。
あまりに細かい音だとEMX-1が録音し落とす場合があるようです。なぜだかわかりませんが、日によって出来たり出来なかったりします。EMX-1にも調子があるようです。
・・とはいえ、常にPCと接続してるのであればわざわざMIDIシーケンスをEMX-1に入れる必要なありませんね。PCを聴動作させれば済む話です。EMX-1に記録させるよりもPCを起動した方が楽で確実です。
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