EMX-1からELECTRIBE2に移行するために必要な知識・操作方法

※ソフトウェアのアップデートが行われるようですので最新状態とは異なっている可能性もあります。取扱説明書がEMX-1と比較すると非常に薄くなっているのですが、これもアップデートを前提にしているのでしょうね。


ドラムパート・シンセパートについて

EMX-1のパートはドラムパートとシンセパートがはっきりと別れていました。

ドラムに9パート・シンセに5パートの計14パートが用意されており、ドラムパートにはドラム音源しかセットできず、また、シンセパートにはシンセ音源しかセットできませんでした。



対してELECTRIBE2ですが、ドラムパートとシンセパートが分かれておりません。



ELECTRIBE2はパッドが16個用意されているのですが、この16個のパッドに「自由に」音源をセットして使うことができるようになっています。極端なこと言えば、16パート全てをシンセとして使うこともできます。ちなみに、プリセットパターンではパッドの上半分がシンセ・下半分がドラムに設定されています。

この辺りはEMX-1とは大きく異なる部分でしょう。自由度が大きく上がっているため、今までとはトラックメイクのプロセスが違ってくる場合が多いのではないでしょうか。


レングス(ステップ数)について

EMX-1ではパートとシーケンサーの間に設定されていた部分ですね。これを確認することで、フレーズやパートの再生位置を確認できました。



ELECTRIBE2では右端のパッド直上にある1~4がこれにあたります。



まず、レングスが半分になっています。フレーズは4小節までしか組むことが出来ません。

フレーズの再生位置の確認については、上半分の「青色」で表示されている部分が現在の位置を示しています。4レングスでフレーズを組めば、1から4まで順番に青色が移動するわけですね。

下半分の「赤色」についてはステップシーケンサーの位置を示します。EMX-1では左右の矢印マークで移動していましたが、ELECTRIBE2では直接小節の位置を押すことで移動できるようになっています(※移動する場合はシーケンサーボタンをオンにしておく必要があります)。

次に、ELECTRIBE2では再生中にレングスの長さが変更できるようになりました(!)。パフォーマンスにおいて重要な要素になりますね。




エフェクトについて

EMX-1ではエフェクトパラメーターが中央に位置していました。



エフェクトについてはELECTRIBE2では非常に大きな変更が行われており、EMX-1と比べると「別物」といってもよいくらいに複雑化しています。


・マスターエフェクトについて

ELECTRIBE2ではエフェクトがマスターとインサートに別れました。マスターエフェクトというのは(基本的に)パフォーマンス用のエフェクトになるでしょう。

EMX-1では『とりあえず3つのエフェクト』が用意されていましたね。ライブパフォーマンス用としてフランジャーを設定しつつも、音を調節するためにリバーブを設定(※基本的に動かさない)したりしていた方が大部分ではないでしょうか。この場合に当てはめると、フランジャーがマスターエフェクトであり、リバーブがインサートエフェクトとなります。



では、マスターエフェクトの場所は何処に行ったのかというと、ディスプレイのエディットメニューに移行しました(※ディスプレイの表示で確認しなければいけません)。「MFX」がマスターエフェクトの略語です。EMX-1では完全に独立していた部分なので、操作感に多少の慣れが必要となりそうな部分です。

マスターエフェクトを設定した後の操作ですが、ここで使うのがタッチパッドです。EMX-1ではノブになっていたので非常に勝手が違います。



ELECTRIBE2のタッチパッドでは「アルぺジエーター」「スケール」「マスターエフェクト」の機能を切り替えて使うようになっています。タッチパッドを触る場所ででSEND量を決めるようになっています。

これもEMX-1とは異なる部分であるため、重ねて勝手が違うと言えるでしょう。



マスターエフェクトは1つのパターンに対して1つしか設定できません。各16パートのマスターエフェクトON/OFFは「MFX Sends」で行うようになっています。EMX-1のようにエフェクトを組み合わせる場合(※ニュアンスは微妙に異なりますが)はインサートエフェクトを使用する必要があります。


・インサートエフェクトについて

インサートエフェクトは各パートに好きなものを1つ付ける事が出来ます。

キックにはコンプレッサーをかけ、リードシンセにはディレイをかける・・といった使い分けができるようになっています。EMX-1よりも細かい設定ができるようになりました。



インサートエフェクトは右端に独立して存在しています。上のノブで種類を選択し、下の「Edit」でSENDを調節できるようになっています。この確認もディスプレイから行います。

パフォーマンスについて



EMX-1で用意されていた「SOLO」が無くなりました。操作方法が変更されています。




・パートをミュートする場合

「PartMute」を一回押すと、下の16個パッドが光ります。光っている部分はプレイ、暗くなっている部分はミュートです。パッドを叩いてパートのON/OFFを決めます。

・パートをソロ再生する場合

「PartMute」を押した状態で、さらにもう一度「PartMute」を押します。こうすると「PartMute」が点滅するのですが、これがソロ再生のスタンバイ状態です。

この状態で任意のパートを押せばソロ再生されます。複数のパートを同時にソロ再生することも可能です。

・パートを一括再生する場合(※全ミュートをOFF)

「Sift」を押しながら「PartMute」で一括再生です。ELECTRIBE2では「Sift」の使い場所が非常に多くなっています(Sift+○○といったショートカットが多数存在します)。


モーションシークエンスについて



EMX-1ではシンセグループの中心にあったモーションシークエンスですが、ELECTRIBE2ではボタンが省略され、エディットメニューに移行されています。



設定方法は非常に簡単になりました。●RECボタンが点灯している状態であれば、変更したパラメーターがそのまま記録されるようになっています。

設定するのは簡単ですが、解除するためには一手間必要になっています。エディットメニューからモーションシークエンスを呼びだしてダイアルを使ってOFFにしなければなりません。EMX-1ではボタン1つでON/OFFが可能になっていた部分であるため、モーションシークエンスを多用したトラックメイクを行う場合は困難になりそうです。

また、各パートにモーションシークエンスを使っているのかどうかの確認もエディットメニューからしか行えないようです。EMX-1では使用/不使用が点灯で簡単に確認できた部分です。


外部機器とのMIDI接続について

PCからのMIDI送受信はUSB接続で可能になっています。




大まかにはこの辺りでしょうか。

全体的に前機種であるEMX-1よりも楽曲製作に移行されているようです。リアルタイムでより感覚的なトラックメイクを行う場合はEMX-1の方が向いているように感じますね。
 

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