オートメーションの書き方について

Liveを使用する上で欠かせない「オートメーション」です。オートメーションを使用することで、トラック全体にエフェクトを自由自在にかけたり、使用しているソフトウェアシンセのパラメーターの変化を記録できるようになります。

オートメーションの書き方は2通りあり、『マウスを使ってクリップに書きこむ場合』と『MIDIコントローラー等を使って行うパラメーター変化の動きを記憶させる場合』があります。

どちらが優れているということはないと思いますが、慣れないうちはマウスでの操作の方がよいかもしれません。微妙な調整をやろうとするとどうしてもマウスがないと厳しくなってしまいますので、いずれにしてもマウスでの操作は必要になってくると思われます。


マウスを使ったオートメーションの書き方

Ableton liveのオートメーションは「エンペローブボックス」から書きます。エンペローブとは、大雑把にいえば『動きをつけるところ』です。一般的なシンセサイザーでもちらほらとある機能です。

例としてとりあえず適当なMIDIノートをセッションビュー(※Live9からセッションビューにもオートメーションが掛けるようになりました)に打ちこんで、そこからオートメーションを書いていきましょう。

ちなみに、MIDIノートではなく波形を扱う場合でもやり方は全く変わりません。


試しに上のようなMIDIノートを打ち込んでみました。


次はクリップビュー下の「E」からエンペローブボックスを表示させます(※言うまでもありませんがエンペローブの「E」です)。


エンペローブボックスがONの場合はMIDIノート左側にあるピアノロールが隠れるようになっています。オートメーションは複雑化することが多いのですが、このようにシンプルな画面になることで少しでも画面が複雑にならないように配慮されています。

ここからいよいよオートメーションを書いていく訳ですが、まず『どのパラメーターを動かすのか』を決めなければなりません。


パラメーターの選択をするのが上画像の枠内にあるボックスです。この2つのボックスを使って動かすパラメーターを探します。


上段ボックスにはそのトラック内のデバイス全てが表示されます。

このトラックではインストゥルメントラック内にMASSIVEをいれているため、『MIDIノート』『インストゥルメントラック』『インストゥルメントラック内のMASIVE』『インストゥルメントラック内のMASIVE用ミキサー』『トラックのミキサー』といった5個のデバイスが表示されています。

自分が動かしたいデバイスをこの中から選択しましょう。ちなみにですが、ラックを使わずにMASSIVEのVSTを起動した場合は『MIDIノート』『MASIVE』『トラックのミキサー』といった感じになります。たくさんのデバイスをセットしていると探すのが少々大変です。

今回はリターントラック(※最初にセットされているAとかBといったもの)を動かしますので「Mixer」を選びます。このあたりでLiveのデバイスがどのように作られているのかといった知識がやや必要になります。


上段からMixerを選ぶと、次は下段ボックスからさらに細かいデバイスが選べるようになります。今回はリバーブのセンド量を動かしていくことにします。

これで『何を動かすのか』の設定は終了です。これから実際にオートメーションを書いていきます。


かなり見えにくいですがクリップの一番下に赤い点線が入っています。これがオートメーションの動きを示すラインです。点線の場合は『オートメーションが書かれていない』事を示していますので、当然ですがこの状態では何も起きません。


点線をドラックして動かします。こうすると点線が実線に変化し、オートメーションがONになります。

とは言えこ、の状態ではセンド量が固定されているだけですので何の動きもありません。ここから実線を変化さて動かすことで「オートメーション」になります。


ライン上をクリックしポイントを生成します。


後は生成したポイントを上下にドラックすれば動きの完成です。


このような感じで波を作るのが一般的でしょうか。

この状態でもよいのですが、動作が直線的すぎて面白くないときもあります。その場合は曲線を使用して、より自然なオートメーションを書くようにします。


オートメーションを曲線にする場合は、ラインを選択して「Altキー」を押します。


その状態でマウスをドラックすればカーブが描けるようになっています。


このような感じで下向きでも上向きでも書けます。ちなみにですが、ポイントをドラックすると位置を移動させることが可能です。


ラインを消す場合はどこでもいいので「右クリック→エンペローブ消去」で消すことができます。

オートメーションを描き終わったので、再度エンペローブボックスを確認しましょう。



オートメーションを描いたパラメーターに赤いボックスが付いているのが分かります。

これが「オートメーションを描いてるよ」ということを示すマークです。後日編集したりする場合はこのマークを手掛かりにしましょう。


このボックスはセッションビューやアレンジメントビュー上でも反映されます。

セッションビューでは多数のクリップを使用するため、オートメーションを描いているクリップと描いてないクリップが出てきます。この場合は、クリップ再生時に上の画像のようにマークが付いたり消えたりする仕組みです。

ちなみに、オートメーションの削除はこの赤いボックスからでも同様の手順(右クリック→削除)で行えます。ただ、この場合はクリップに関係無く、そのパラメーターにセットした全てのオートメーションが削除されてしまうことに注意しましょう。
 

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