TRAKTORのMIDIマッピングの方法を学ぶ

VCI-100MK2には「HOT CUE」ボタンがありません。

VESTAXとしてはまさに『各自でSIFT+○○を使って設定して下さいね』と言ったところなのだと思いますが、このHOT CUEの割り当てがかなり難しかったりします。

まず検索しても情報があまり出てきません(日本語では)。マッピング方法が紹介されているWEBサイトはちらほら見かけますが、ピンポイントで『HOT CUEボタンの増やし方』といったものはヒットしません。おそらくは、通常の(?)コントローラーではデフォルトで設定されているのでわざわざ書くまでもないということなのでしょう。

ちなみにVCI-100MK2のマニュアルにも「出来ます」とだけしか記載されていません。まぁ他社(トラクター側)でのセッティングとなるので当然と言えば当然なのかもしれませんが。




「TRAKTORのMIDIマッピングについて」

基本的な作業は以下の2つとなります。

①割り当てたい機能を選ぶ
②割り当てた機能を『どうやって』動作させるかを選ぶ

これだけ見れば非常に当たり前のことですが、ある程度の知識が無いとスムーズに設定するのは中々に難しいです。

まず①に関しては英語で記載されているのがネックでしょう。例え自分が割り当てたい機能はわかっいてもどれを選べばよいのか分からないというのはどうしようもありません。

②に関してはトラクターは動作の「種類」を設定することが出来るため敷居が高いといった印象があります。例えば、曲を再生するだけでも「ボタンを押した時に再生するのか」それとも「ボタンを押して離した時に再生するのか」といった事の設定が出来ます。これはある程度の経験がなければ自分にとってどちらを選んだ方が良いのか中々判断が出来ないところでしょう。当然ながらこの設定も英語です。


・HOT CUEの割り当て

まずDJコントローラーのMIDI情報が分からないと始まりません。VCI-100MK2のマニュアルを眺めてMIDIキーを捜します。


マニュアルには丁寧に「+SHIFT時」のMIDIノートが記載されていました、VCI-100MK2ではこのMIDIノートに機能を割り当てることが可能になっています。マニュアルをコピーして書きこんでおくとスムーズですね。

他のDJコントローラーを見てみるとHOT CUEは4個くらいあるものらしいので、適当に空いている4つのMIDIノートを選び、そこに割り当てることにします。


・Control Manager

ここからトラクターの設定です。左上の「File」から「Control Manager」を開きます。



この画面で全ての設定を行います。非常に細かくて目が痛くなります。LiveのMIDIマッピングがシンプルであるのか分かりますね。

とりあえず最低限のセッティングさえ出来ればよいので、あまり気にせずに機能を追加していきましょう。マニュアルにそって沿って「Add in...」をクリックし、機能を追加します。



ずらりと英語が並びますが、これら全てが割り当て可能な機能です(多い!)。この中の機能を使ってHOT CUEを設定するのですが、どれを選べばよいのか分かりません。

今度はTRAKTORの日本語マニュアルを参照して自分の欲しい機能を探していきます。


トラクターの日本語マニュアルはとても分かり易く説明が記載されています。音楽関係のソフトでここまで日本語のサポートが行われているところは珍しいですね。



マニュアルを参照しながら「Select/Set+Store Hotcue」を選びます。



機能を追加すると、次は細かい動作設定が要求されます。ここでは「Device Mapping」「Mapping Details」「Button Option」の3つを設定することになります。


・Device Mapping

「Device Mapping」はその名の通り、どのMIDIキーにマッピングするのかを選びます。DJコントローラーのMIDIマップを眺めながら、空いているスロットに割り当てて行きます。



Ableron Liveと同じように対象のMIDIコントローラーを動作させてマッピングすることもできます。その場合は「Learn」を有効にした状態(※オレンジ色になります)で、MIDIコントローラーを動作させます。

「Comment」には任意でコメントを入れておくことが出来ます。Hotcueの場合は数が多いので(4個×4デッキ)、コメントを入れた方が確認にもなり後々便利です。


・Mapping Details

「Mapping Details」ではさらに動作の詳細を追いこんでいきます。



一番上に「Modifier Conditions」というものが存在しますがこれは難易度が高いためスキップします。一応補足しておくと、これを使うと動作に対してさらに条件を付けより複雑なコントールが出来るようにすることができます。

「Type of Controller」ではMIDIコントローラーの種類を選びます。種類は「ボタン」「ノブ/フェーダー」「エンコーダー」の3種類です。今回の場合はスイッチに割り当てるので当然ながらボタンをえらびます。

ノブ/フェーダーとエンコーダーの違いは『スタートとエンドがあるかどうか』ということがポイントとなります。例えばですが、ボリュームの場合は最少から最大までの操作となるためフェーダーですね。エンコーダーはほとんど使用しないのではないでしょうか。

次は「Interaction Mode」の設定ですが、ここから少し面倒な要素が増えてきます。動作の詳細を決定するのですが、ボタンの場合は『ボタンをONにした時の動作』と『ボタンをOFFにした時の動作』を決めます。ノブ/フェーダーとエンコーダーの場合はまた違った設定になっています。



とりあえず上のような設定にしてみました。この場合は『ボタンを離したとき(※押した段階では反応しない)に設定したHOT CUEに飛び、再生を続ける』という設定です。

ちなみに「Button Options」の「invert」にチェックを入れない状態ですと場合は、『ボタンを離したときに設定したHOT CUEに飛び、ボタンを押している間は再生を続ける(※ボタンを離すと再生が止まる!)』という設定になります。

このオプション項目は「Type of Controller」で選択した動作の種類によって変わってきます。ノブ/フェーダーの場合はまた別のオプションが表示されます。

これを繰り返せばHOT CUEボタンの完成です。完成したら念のため「Export」から設定ファイルを作って保存しておきましょう。




※追記

このやり方ではVCI-100mk2のデッキ切り替えが反映されないようです。上設定はAデッキにおいて設定しているものですが、VCI-100mk2でCデッキに切り替えた場合においても「Aデッキ」のキューが再生されます。Cデッキでホットキューを付ける場合はまた違う場所にアサインさせないといけないようです。

ちょっと面倒だなぁ・・とも思いましたが、よく考えればデッキの切り替え無しで操作が出来てしまうということでもあるので、むしろ便利なところかもしれません。TEMPOフェーダーにC/Dデッキのボリュームをアサインさせれば、そのまま4デッキコントローラーとして使えてしまいそうです。
 

・新しい感じの記事

0 件のコメント :