やや専門的な言い方をすれば「MIDIの設定」についてです。
Novation CircuitのMIDI設定について
やや専門的な内容になるとはいえ特に難しい要素はありません。「触り」程度であるならこれといった予備知識もなく進めることが出来ますし、理屈を理解せずに方法だけ覚えて対応しても特に困ることもなかったりします。
…とはいえ、予備知識として知るべきことについても難しいわけではないので結局のところ最初から理解しておいた方が楽だったりもします。
電子楽器同士を接続する場合は多くの場合で「MIDI」という仕組みで繋ぎます。デジタル系の機材だとBluetoothで繋いだりする場合もありますが、スタンダード規格としてはやはりMIDIです。
このMIDIという仕組みはとても良く出来ており、『どの音を発音させるか』や『発音させる音の強弱はどうするのか』といった様々な信号のやりとりができます。この信号を利用して『機材Aの再生テンポを機材Bに送る』という設定にすると機材を同期させる(※同じリズムで再生させる)ことが可能になるわけですね。
ちなみにMIDIシステムを開発された方は日本人です。
・マスターとスレーブについて
Circuitと外部機器と同期する場合は、まずは『どの機材をマスターにするかスレーブにするか』ということを決めなければいけません。マスター/スレーブの概念は電子楽器だけではなくパソコンとかでも出てきたりしますね。
語感だけでなんとなく分かるかもしれませんが、マスターというのは「情報を発信する側」であり、スレーブというのは「情報を受け取る側」のことを意味します。電子楽器を同期再生する場合は発信する側と受け取る側を区別しないと操作上の不都合が色々と発生しますので、この操作はほとんどの場合で必要となります。
Circuitに関しては、おそらくこれをマスターにする場合は少ないでしょう。
Circuitを外部機器と同期する場合の『相棒』としては同メーカーのMono Stationが最も多いと思いますが、Mono StationはCircuitと違いテンポノブが独立して存在しています。Circuitでテンポを変える場合はパッドをタップしないといけないので、この辺りの効率を考えるとMono Stationがマスターになることでしょう。
…というわけでここではCircuitをスレーブ側にすることを前提に進めていきます。
・Circuitの内部MIDI設定を変更する
工場出荷状態のCircuitではMIDI情報を片っ端から送受信する設定になっているためここを変えてあげなければいけません。CircuitでMIDI設定を変更する画面を呼び出すやり方は以下の操作となります。
<MIDI入出力変更表示>
「Shift」パッドを押しながら電源を入れる
この操作を行うとCircuitが以下のような表示になります。
…で、Circuitをスレ―ブにする場合の設定ですが、これについては「左下に並んでいる2つのグリーンカラーのパッドの左側を消灯状態(OFF)」にしてください。
ここが点灯状態(ON)だとCircuitからもMIDI情報が発信されてしまうので同期した場合に何かしらの不都合が発生するはずです。
一応書いておきますと、Circuitをマスターにする場合はグリーンカラーの両方点灯させておけばOKです。
Novation Circuitの物理的な接続について
MIDIとの設定が終わっても物理的に他の機器と接続しないことには同期もなにもありません。…ということで他の機材とCircuitを接続しないといけないわけですが、この場合は以下の2つのやり方があります。
・MIDIケーブルで繋ぐ
・USBケーブルで繋ぐ
USBについてはPC(DAWソフト)と接続する場合なので、Mono Stationのような機材と繋ぐ場合はMIDIケーブルで繋ぐ必要が出てきます。
…で、この場合の接続ですが、これは「マスター側をMIDI OUT、スレーブ側をMIDI IN」にしてください。
3台以上繋ぐ場合は中間に『マスターにもスレーブにもケーブルが刺さっている部分』が出来ますが気にする必要はありません。結果的に最初の1台がマスターとして機能します。もちろんそれぞれにMIDI信号の設定も必要です。
ちなみにですがCircuit(とMono Station)は一般的なMIDI端子ではなくミニジャックケーブル端子で代用されています。
変換プラグが同梱されているので困ることはないはずですが、 このような機材同士を接続する場合はオーディオケーブルがそのまま使えるのでMIDIケーブルを別途購入する必要が無いかもしれません。
実際にどんなケーブルなのか分からない場合は「3.5mm Aux オーディオケーブル」 とかで検索すると出てきたものがそれです。
100均とかでも販売されていますので入手は難しくありません。この場合はMIDIデータの送受信を行うだけなので「品質」というものは基本的に関係がありません。安物であっても全く問題ありませんし、高いものを使ったところで何も変わりません。
ニッチな商品ですが「片方がベーシックMIDI、もう片方がオーディオミニジャック」になっているケーブルもあったりします。この場合は変換プラグがいらなくなるのでちょっとだけ配線回りがスッキリします。
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