対象にしているDAWソフトはableton liveですが、画面表示が違うだけで他のDAWソフトであっても基本的にやることは同じなので十分に流用可能な内容になっていると思います。
MIDIの基本的な概要も必要になってきますので、この辺りをまだ押さえていない場合は前回の内容を事前に参照されてください。
CircuitとDAWソフトと接続する意味
…というわけでCircuitをDAWソフト(※ableton live)と接続するという内容なわけですが、まず『DAWソフトと接続すると何ができるのか』ということについて理解していくべきでしょう。結論から書きますと、CircuitをDAWソフトと接続すると以下のようなことが可能になります。
・Circuitで鳴らした音楽を録音する
・Circuitで打ち込んだパターンをDAWソフトで鳴らす
・DAWで打ち込んだパターンをCircuitを通して鳴らす
他にもまだありますが、概ねこの3つが基本的な操作になってくると思います。
ではこれらについてそれぞれやり方を説明していきましょう。
・Circuitで鳴らした音楽を録音する
わざわざ書く必要もないかもしれませんが念のため。Circuitで鳴らした音を録音する場合は多くの場合でDAWソフトの出番となります。トラックレコーダー(MRT)のようなダイレクトで録音できる機材もありますが、Circuitであればそのような機材の出番はおそらくないでしょう。
DAWソフトにCircuitを録音する場合はオーディオインターフェイスが必要となります。このオーディオインターフェイスにCircuitのオーディオケーブルを刺せばそれだけで準備完了です。
TASCAM US-366
言い換えれば、Circuitで遊んだパターンをオーディオデータとして出力するためにはDAWソフトとオーディオインターフェイス(とオーディオケーブル)が必要ということになります。
DAWについてはCircuitにはableton live liteが付属しているので買う必要はありませんが(※ableton live liteがインストールできない場合はstudio oneのようなフリーのDAWソフトもあります)、オーディオインターフェイスは必須です。パソコンにUSBケーブルで繋いだだけでは録音はできません。
オーディオインターフェイスに関しては様々なモノが販売されていますが、Circuitを使う場合は最低でも4IN/4OUTのインターフェイスが欲しいところです。
・Circuitで打ち込んだパターンをDAWソフトで鳴らす
Circuitは打ち込み機材として良く出来ている反面、シンセの設定がかなり複雑かつ手間です。Componentsがあるとはいえ、設定の手軽さや音色のバリエーションを考えるとDAWに内蔵されているソフトウェアシンセに軍配があがるところでしょう。そうなるとCircuitで打ち込んだパターンをDAWで鳴らすというやり方が生まれます。
専門的な言い方をすれば『シーケンサーとして使う』というやつですね。
…で、このようなことをする場合はCircuitとPCをUSBケーブルで接続してMIDIデータのやり取りを行うのですが、事前にいくつかの設定をしなければいけません。
まず、ableton liveの環境設定でMIDIの部分を以下のようにしてください。
Outputの「同期」部分をONです。
こうするとableton live側で再生をするとCircuitも同時に再生されるようになります。ableton live側でテンポを上げたり下げたりしてもCircuitがそれを追随します。
次に、Recordの項目を以下のようにします。
排他の「アーム」からチェックを外してください。
必ずしも必要な操作ではありませんが、これにチェックが入っている状態だとMIDIトラックの同時記録トラック数がひとつだけに限定されてしまいます。ひとつのトラックを延々と流したり記録する場合はチェックが入っていてもOKです。
最後にI/Oの部分を以下のように設定します。
これについては複数の要素が出てくるのでそれぞれについて説明していきましょう。
①のMIDI Fromは『どのトラックにCircuitのMIDI情報を送るのか』という設定です。
Circuitには「シンセ(1)」「シンセ(2)」「ドラム(1)~(4)」という合計6個のトラックがありますが、これはCircuit内のMIDIチャンネルだと以下のようになっています。
・シンセ(1) → ch.1
・シンセ(2) → ch.2
・ドラム(1)~(4) → ch.10
ドラムは全部まとめてひとつのチャンネルに統合されます。
ちなみにドラムのMIDIノートアサインは以下です。
・ドラム(1) → C3
・ドラム(2) → D3
・ドラム(3) → E3
・ドラム(4) → F3
4つしかないのでDrumRackではなくImplseで対応が出来ますね。
むしろImplseの方が楽かもしれません。最初の4パッドと自動的にリンクするので何も考えずに使えます。
②はRecordの部分で説明したアームに関わる内容です。排他にチェックが入っているとここが1つしか選択できなくなるわけです。
③はトラックレコーダーボタンです。
ここを押せばableton live側ではアームにチェックを入れたトラックの録音(※実際にはMIDIフレーズを記録するだけので音を録るわけではありませんが)が開始され、同時にCircuitが再生されます。
ここではDAWを音源にしていますが、別のシンセサイザーに接続すればそこから音を鳴らすことも可能です。
・DAWで打ち込んだパターンをCircuitを通して鳴らす
これは上で紹介したパターンと逆ですね。DAWで作っておいたフレーズをCircuitを使って再生させます。出番はあまりないかもしれませんがこういうことも可能です。この場合はI/OのMIDI toを利用してください。
上のように設定するとableton liveからCircuitにMIDI情報が送られます。
Circuitから音が出ない場合はCircuit側のMIDI設定を確認しましょう。
CircuitのMIDI設定が上のようになっていると音が出てくれません。左下のグリーンカラーのパッドをONにすれば再生されるはずです。
この設定については前回の部分に書いています。
<関連記事>
Novation Circuitの使い方⑩ 外部機器との同期について
そろそろ書くことがなくなってきた感じですね…。
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