Novation Circuitの使い方⑬ Componentsについて(5) EditorⅢ

今回はEditorの使い方…と言いますか、マクロコントロールの作り方・考え方のようなものを書いていきます。

内容としてはそこまで難しものではないと思いますが、最初に理解するまでがちょっとめんどうだったり、理解していてもしばらくすると忘れてしまったりもします。なるべく感覚として掴んでおきたいところですね。

ポイントとなるのは「Depthがマイナスの場合」の変化です。


マクロコントロールの設定と使い方について

…というわけでマクロコントロールです。

まずはマクロコントロールノブと数値の位置関係を覚えましょう…といっても暗記するようなものではありませんが。


ノブと数値の位置関係は上のようになっています。左端が0で右端までいくと127になります。書くまでも無いとは思いますが64が中心位置ですね。

<訂正>
中心位置は63でした。これ以降のマクロノブが64となっている箇所については頭の中で-1して進めていってください。

…とはいえ、中心が63でも64でも何が違うということもないので面倒な場合はそのまま64をセンターだと考えて進めていっても特に問題はありません。

この「0~127」の位置を頭に入れた上で次に進みましょう。

・Depthの意味を理解する

「0~127」については難しくありませんが、Depthがちょっと面倒です。

これについては最初に実例をおさえてしまうのが最も効率的でしょう。以下の画像における設定がDepthの意味を理解する上での基本となります。


この画像を見てパラメーターの動きをイメージできるのであれば今回の話はスルーして問題ありません。

・オシレーター①の変化はどうなっているのか

Depthを理解するために、まずはオシレーター①の動きから見ていきましょう。


マクロコントロールにオシレーター①のボリュームをアサインさせている状態です。

StartとEndについては問題ありませんね。この場合は65…つまりノブのほぼ中心から右隅までの間で変化が起こるということになります。

では問題となるDepthに注目します。この場合では「-64」という数字です。これが何を示しているのかを理解しなければなりません。

結論から書けば「Depthがマイナスの場合はマイナス方向への変化」となります。この場合であれば『中心から右に行くたびに音が小さくなる』という動作になるわけです。

Depthの「64」という数字には特に注目する必要はありません。

数値として何だか中途半端になっているので気持ち悪い感じもしますが、64というのは要するに「MAX」です。この場合の「-64」であれば100%音小さくする(※要するに音を消す)という設定になります。仮にもしここが-32であれば50%まで小さくなります。

オシレーター①の変化についてまとめると、『左隅(0)から中心(64)までは音の変化がなく、中心のほんのわずか右(65)から右隅(127)に近づくにつれて音量がゼロに近づいていく』と言えます。

・オシレーター②の変化はどうなっているのか

では次はオシレーター②を見ていきましょう。


オシレーター①と同様にボリュームをアサインさせています。

ここまでやればもう説明はいりませんね。ノブの動きは「スタートが0(ゼロ)でエンドが63」で「Depthがプラス方向に最大(+64)まで降られている」ことから、『左隅(0)から中心(63)を最大値として音量が大きくなる』…となります。

・オシレーター①と②の相互関係を理解する

では、最後にそれぞれ分割して考えていたオシレーター①と②をミックスして考えていきましょう。


それぞれの地点におけるボリューム量は以下となりますね。

左隅(0)
・オシレーター① → ボリュームMAX
・オシレーター② → ボリュームゼロ

中央(64)
・オシレーター① → ボリュームMAX
・オシレーター② → ボリュームMAX

右隅(127)
・オシレーター① → ボリュームゼロ
・オシレーター② → ボリュームMAX

つまり、このマクロパラメーターは『64地点を中心にして、左に限界までひねるとオシレーター①のみになり、右に限界までひねるとオシレーター②のみになる設定』ということです。

グラフで描くとこんな感じでしょうか。


Circuitではほとんど場合でこのような相互関係をイメージしながらマクロコントロールをアサインさせていく必要が出てきますので、「マイナスのDepthがどのような動きをするのか」を理解しておかなければいけない…というわけです。

ひとつのマクロに複数のパラメーターをアサインさせれば数が節約できますし、パラメーターを大きく動かすことが出来るのでトラックメイクに変化をつけやすくなります。

パラメーターがマイナス方向にもある場合は?

上ではボリュームを例に出して説明しましたが、これがピッチ関係だとマクロのアサインがちょっと面倒になってきます。

何が面倒になるかは実際にアサインさせてみれば分かると思いますが、先に答えを書いてしまうと『ピッチ等であればプラス方向とマイナス方向があるから』です。

ボリュームであれば「ゼロから始まって最大音量まで」しかパラメーターがありません。「マイナスの音量」といったものは存在しないので特に何も考えずによいわけですが、ピッチ等は±0を中心にしてマイナス方向とプラス方向が存在しています。

ここで重要になるのがEditorの設定範囲ですが、Editorのパラメーターはスタート位置が±0に固定されているため、マイナス方向とプラス方向を同じマクロにアサインさせようとする場合はどうしても最初にマイナス方向にパラメーターを下げる必要が出てきてしまうのです。

この流れを箇条書きにすると以下のような感じになります。

① 0(ゼロ)から一度マイナス方向に小さくする
② マイナス方向に小さくしたパラメーターを再び0(ゼロ)に戻す
③ 0(ゼロ)からプラス方向に大きくする

ボリューム量のような違うオシレーターの変化であれば最初に説明した感じで設定出来るのですが、同じオシレーター内の同じパラメーターでそれをやろうとするとマクロの位置が干渉し合ってしまうので上手くいきません。

結果として、このような感じでマクロパラメーターをプラスの領域とマイナスの領域で区切るような感じで進めていくしか方法がない…というわけです。

面倒ですよねぇ…。

実際のパラメーター設定としては以下のような感じになります。


①で最小(-64)まで下げて、②で±0まで戻して、③で最大(+63)まで上げているわけですね。

この場合であればパラメーターの±0位置が85となるので、マクロの基本位置を85にしている…というわけです。

図形的に書けば以下のような感じでしょうか。

0(±0) 42(-64) ⇔ 85(±0) 127(+64)

85を中心にして、42まで左に捻るとマイナス方向へ最大変化し、127まで右に捻るとプラス方向に最大変化します。0~41までは使わないようなイメージです。

ここでは85をセンターに設定していますが必ずしもそうしなければいけないわけではありません。普通の感覚であれば64をセンターにした方がイメージとして分かりやすいはずでしょうし。

この辺りは任意の感覚で決めていくしかありませんね。スタート位置・エンド位置に余白を取るようにするとパラメーターのイメージがしやすくなると思います。
 

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