Circuitにおけるパッチの作り方はかなり特殊…と言いますか、便利なような不便のような複雑な構成になっているため事前知識として知っている部分がないと遠回りをしてしまうかもしれません。
類似的な諸注意としてこういうものもあります。
<関連記事>
データの移動・上書きにおける注意点
予めこちらを参照されてから進めていった方が良いかもしれません。ちなみにパッチのマクロコントロールに関する説明については前回の内容に書いています。
パッチはどう作っていくべきか
パッチの作り方は様々だと思いますが、効率を考えれば「Editor上で全て完結させてしまう」のが最も合理的です。メインとなるパラメーターをマクロにアサインさせてからアナログ的に作っていく手法もありますし、アプローチとしてはこちらの方が楽しいでしょう。しかしながら、Circuitの性質を考えると最終的にはこのやり方は遠回りになってしまう可能性が高いです。
なぜそうなるのかと言いますと『Circuitはパッチ(シンセパラメーター)を独立して保存することが出来ない』からです。
これについては上手く言葉で説明するのが難しいのですが…機能として『Circuitではインストールしているパッチの変更を保存できない』ようになっています。
CircuitにはComponentsを通してマクロコントロールがアサインされたシンセパッチをインストールすることが出来ます。しかしながら、そのインストールした音源はCircuitのマクロコントロールを使って変更して保存することが出来ません。
要するに、Circuitのパッチはあくまでも「Componentsを通してインストールした時点のパラメーター」が基準であり、それから変更することが出来ませんよ…というわけです。
Circuit内のパッチ設定を変更する場合は、変更したパッチをComponentsを使ってもう一度インストールするという作業が必要になります。
『…それだとマクロコントロールの意味が無いのでは?』となりそうなものですがここがまた微妙なところで、マクロコントロールの変更はパッチに直接保存されるわけではなく、Circuitのシーケンスセッションに保存される仕様になっているのです。
シーケンスセッションの中に保存されるので、そのセッションを読み込めば作った音を呼び出すことができます。しかしながらその作った音を「プリセット音としてCircuitに保存する」ということが(Circuit単体では)出来ない…ということです。
この辺りの仕様は良し悪しでしょう。
マクロノブをどれだけいじくりまわしてもインストールパッチを壊さずにすむということなので試行錯誤を重ねていくトラックメイクをする場合は好都合です。しかしながら、Circuit側のマクロコントロールを利用して音を作っていきたい場合は毎回リセットされてしまうのでどうしようもない仕様だとも言えます。
いずれにしても、最終的にマクロコントロールの役割は「パフォーマンス用途」になっていく場合がほとんどになると思いますので、音作りはEditor上で完結させておいた方が良いのではないか…という事になるわけです。
合理的なパッチ作成の流れ
ここまで読まれた方であれば想像が付いているかもしれませんが、合理的にパッチを作成していくと以下のようなアプローチになります。①使用するマクロコントロールをピックアップしてそれぞれアサインする
②マクロをアサインしたパッチを土台にしてオシレーターだけ変更して規則的に並べていく
言うまでも無く、操作という作業を考えると「マクロコントロールは全てのパッチで共通させておく」という結論に達します。
パッチについてもCircuitは名前を閲覧することができないため「どこの場所にあるのか」でしか判断できません。そうなると、例えば『1ページ目の最上段はSAW系で統一する』といった手法が必然的に生まれてきます。
作業として楽しいものではないかもしれませんが、合理的に考えるとこんな感じで作っていくのが最も楽ですね。
0 件のコメント :
コメントを投稿