Roland TR-8Sの使い方② 再生に関する基礎知識

…というわけでRoland TR-8Sの使い方講座的②です。今回から実際の作業内容的なものに入っていきます。

内容としては「再生における基本的な作業」といった感じでしょうか。難易度としては高くありませんが、操作そのものに慣れるまでにはちょっと時間がかかるのではないかと思ったりします。


・とりあえず再生してみる

とにもかくにもまずは機材を再生してみましょう。最低限の動作チェックとしても必要です、壊れていたら音が出ませんからね。

再生ボタンはどこだろう…と全体を見渡すと最左下に「START/STOP」が見つかりますのでそこをポチっと押しましょう。


ケーブルが抜かれていたり、ボリュームがOFFだったりしなければフレーズが再生されるはずです。

その状態でノブをぐりぐりしたりフェーダーを上げ下げすると音が変化します…というのは当たり前過ぎますかね。シーケンサーの詳しい内容についてはひとまず保留しておきます。

・再生フレーズの小節数を変更する

「START/STOP」の上に「A」~「H」までの8個のボタンがありますが、ここがいわゆるレングス(小節数)を決めている場所です。つまり最大で128ステップ(16ステップ×8レングス)までの長さのフレーズが作れることになります。


ちなみにTR-8Sはこの「A」~「H」をバリエーションと呼んでいます。

<専門用語の確認>
バリエーションとは、一つのパターンの中にある個別の「A」~「H」ことである

バリエーションのA~Hは液晶画面にも表示されるので文字情報としても確認できます。

・任意でバリエーションを選んで再生する

このバリエーションについてはある程度の範囲で任意再生が可能です。「A」から「H」までの律儀に順番通りに再生させるのではなく、『Aだけを永続的に再生する』や『CとDを交互に再生する』といったことが出来ます。

この場合の操作は以下となります。

・Aだけを永続的に再生する → Aを押す

・CとDを交互に再生する → Cを押しながらDを押す

ここではC・Dと連続してるものを例に挙げていますが、「A→D→G→H」といった飛び飛びで再生することも可能です。この場合も同じようにAボタンを押しながらD・G・Hと押していけばOKです。

どうやら「A」から「H」までを一括して再生する機能は無いようですね。この場合はちまちまと全てのボタンを押さなければいけません。

注意点としては「G→C→A」といった逆の順番での再生ができないことがあげられます。また、「A→D→D」といった任意の箇所を複数回以上再生させるということもできません。

・ステップ数を変更する

TR-8Sではデフォルトだと16ステップとなっているシーケンスの長さを変更することが出来ます。専門的な言い方をすれば「ポリリズム」と呼ばれるものです。

ステップ数を変更する場合は[LAST]ボタンを使用します。


ボタンの位置はここですね。

また、これについては「バリエーション単位で変更する場合」と「バリエーション内の音色(トラック)単位で変更する場合」の2種類の方法があります。

バリエーション単位で変更する場合は『設定されている全ての音色トラックを一括して変更』するということですね。音色単位で変更する場合は、例えば『ハイハットだけ12ステップにする』といったことが可能になります。

…で、これらの操作方法は以下となります。

<バリエーション単位で変更する場合>
①LASTボタンを押す
②A~Hの中から変更したいバリエーションを選ぶ(※複数選択可能)
③シーケンサーが緑色に切り替わるので、そこで長さを変える

<トラック(音色)単位で変更する場合>
①LASTボタンを押す
②ステップ数を変更したいトラックを選ぶ(※複数選択可能)
③シーケンサーが緑色に切り替わるので、そこで長さを変える

この2つの操作はお互いに干渉し合っている部分があることに注意しなければいけません。

結論から書きますと、TR-8Sのステップ数の変更はバリエーションではなくトラック(音色)単位の変更が優先される仕様になっています

これについては例を示すのが最も分かりやすいでしょう。以下のような操作をするとどうなるかイメージしてみてください。

(1)バリエーション全体を14ステップに変更する
(2)バリエーション内のBD(バスドラム)だけ9ステップに変更する
(3)再度、バリエーション全体を6ステップに変更する

普通に考えれば(3)の部分でバリエーションを一括変更しているので全体が6ステップになりそうな感じですが、TR-8Sではトラック単位の変更が優先されるようになっているのでBD(バスドラム)はそのまま9ステップが継続されることになります。

リアルタイムパフォーマンスにおいてトラック単位でステップ数を変更しようとする場合は結構な注意が必要です。 

トラックのステップ数を変更している場合(※16ステップ数ではない状態)で「LAST」ボタンを押すと、変更しているトラックが点灯するようになります。点滅ではないのでとりあえず区別は付きますが、ある程度慣れないとスムーズな確認は難しいところかもしれません。

・変更したステップ数をリセットする

変更したステップ数のリセットをするには「CLEAR」ボタンを使用します。


具体的な方法は以下の流れです。

<変更したステップ数をリセットする>
①LASTボタンを押す
②元に戻したいトラックを選ぶ(※複数選択可能)
③CLEARボタンを押す

変更する場合と最後の手順が違うだけなので感覚的には分かりやすいと思います。


今回はこの辺でしょうか。次回は基礎知識的なことについてやっていく…と思います。たぶん。
 

・新しい感じの記事

0 件のコメント :