Roland TR-8Sの使い方④ パターンの設定について

そろそろ実際にパターンを作っていく…と言いたいところですが、まだ知識的におさえておかないといけない部分があったりします。

今回はパターンを作っていく直前に知っておきたい内容です。いい加減トラックメイクをはじめたいところかもしれませんがもう少し我慢しましょう。


パターンには「初期設定」というものがある

TR-8Sではそれぞれのパターンについて「初期設定」をすることができます。

この設定は必ずしもやる必要があるわけではないのですが、これを行うことで全体のパフォーマンスを効率的に行ったり、或いは実験的なフレーズを作成することが可能になったりするので、可能な限り目を通しておきたい部分です。

この初期設定ではかなり複雑な部分まで決めることができますが、いきなり全ての設定を把握するのは困難ですので、まず基本的なことについておさえましょう。

この基本については以下の3つがあげられます。

・そのパターンのキットを固定させるorさせない
・そのパターンのテンポを固定させるorさせない
・そのパターンの名前

これらは実際のパフォーマンスにおいて非常に重要になります。

キットを非固定にすれば作成したフレーズを拡張するようなことが出来ますし、テンポを非固定にすればパターンのBPMを変えることなくパフォーマンスをすることができます。

また、さらりと登場していますが、キットとは「ドラム音色をセットにしたパッケージ」のことです。ドラムマシンとしては有名なものとして「909」や「808」といったものがありますが、これらもTR-8Sのキットの中のひとつということになります。

ちなみにキットは128個用意されており、NO.86までにプリセットファイルが入っています。87~128まではユーザー用のブランク領域です。

パターンの設定方法

先ほども書きましたがパターンの初期設定には様々な項目があります。とはいえ、上で書いた3つ以外はまだ内容として先送りしたほうが良い部分でもあったりしますので、今回はこの3つに限って進めてきます。

TR-8Sでは任意の場所にパターンを保存することが出来ます。

これはどういうことかといいますと、例えば『バンク①のパターン①を開いていてもバンク⑧の開いているスロットに保存ができる』…まぁ要するに「上書き保存を回避できる」ということです。

そのようなわけで、パターンを作成する場合はどの場所を開いていても関係が無いわけですが、ここでは操作になれるためにプリセットデータが入っていない<⑦-1>を呼び出して設定していくことをおすすめします。

バンク・パターンの呼び出しについては前回やりましたね。とても大切な部分なのでしっかりと覚えましょう…といっても触っているうちに勝手に覚えるとは思いますが。

では、実際にパターンの設定をしていきましょう。

・キットの音色を設定する(Number)

キットを設定する(変える)場合は以下の操作を行います。

<キットを設定(変更)する方法(1)>
① [SHIFT]を押しながら[PTN SELECT]を押す
② [VALUE]ノブを回して液晶画面の表示を[Number]にする
③ 液晶が[Number]になったら[ENTER]を押す、これでキット選択モードになる
④ キット選択モードになったら[VALUE]ノブを回して欲しいキットを探す
⑤ 使うキットが決まったら[PTN SELECT]を押して終了する

操作として使うボタン等は以下です。


この操作は「キット全体の編集」に付随しているものなので、単純に設定されているキットだけを変更するだけであればもっと簡単な操作があります。

<キットを設定(変更)する方法(2)>
① [KIT]ボタンを押す
② [VALUE]ノブを回して選択する

こちらの方が格段に楽ですね。


操作として使うボタン等は以上です。片手で済みます。

また、キットの設定・変更はトラックメイク中でも可能になっています。既にパターンが打ち込まれている場合でキットを変更すればそのキットでの音色に切り替わります。

・キットの音色を固定するor非固定にする(SW)

順番がやや前後してしまいますが『そのパターンのキットを固定させるかどうか』の設定についても見ていきましょう。

この設定に関わる部分が先ほどチラッと登場した[SW]です。

[SW]とは簡単に言えば「追随機能」です。[SW]がON…つまり追随モードになっていれば、パターンを切り方時にキットもそれに従うということになります。

追随モードに入るためには[SW]をONにするだけでは足りません。それ以外にTR-8Sの基幹部分である[UTILITY]の[GENERAL:KitSel]という部分を[KIT]にしておく必要があります。

<キットの音色を固定させない設定>
・PTN SELECTからSWをONにして、UTILITYのGENERAL:KitSelをKITにしておく

[SW]をONにしたからといってこの部分が[KIT]ではないなら追随モードには入りませんので安心といえば安心ですね。

UTILITYの具体的な設定方法については特に書くことがありません。[UTILITY]ボタンを押してから[VALUE]ノブを回していけばそのうち表示されます。


[UTILITY]ボタンはここにあります。

ちなみにローランドが配布しているマニュアルではこの部分が間違っています。マニュアルだと『GENERAL:KitSelがPTNの場合にSWが有効』と書いてありますが、正しくは『GENERAL:KitSelがKITの場合にSWが有効』です。

SWのON/OFFについては先ほどの流れの中に含まれているので問題はないでしょう。②の段階で[ENTER]を押せばON/OFF画面に入ることができます。

・パターンのテンポを設定する(TEMPO)

TR-8Sにおいてテンポを設定する方法は以下の2つがあります。

・PTN SELECTから設定する
・TEMPOダイアルを使って設定する

言うまでも無くTEMPOダイアルを使って設定した方がスムーズなのでPTN SELECTを利用したやり方についてはスルーしてしまって良いような気もするのですが、PTN SELECTを使わないと「テンポの固定or非固定」についての設定ができません。

…というわけで、PTN SELECTを使ったやり方についても説明していきます。

・パターンのテンポを固定するor非固定にする(TempoSrc)

一応として書いておきますと、PTN SELECTを使ってテンポを設定するまでの一連の流れは以下のようになります。

<PTN SELECTを使ってテンポを設定する方法>
① [SHIFT]を押しながら[PTN SELECT]を押す
② [VALUE]ノブを回して液晶画面の表示を[Tempo]にする
③ 液晶が[Tempo]になったら[ENTER]を押す、これでテンポ選択モードになる
④ テンポ選択モードになったら[VALUE]ノブを回してテンポを決める
⑤ テンポが決まったら[PTN SELECT]を押して終了する

TEMPOダイアルを利用した方が50倍くらい楽ですね…。

では本題に入ってテンポの固定or非固定に関する内容ですが、こちらもキットの音色と同じようにUTILITYを利用して設定します。具体的には[GENERAL:TempoSrc]の部分を[SYSTEM]に設定してください。

<パターンのテンポを固定させない設定>
UTILITYのGENERAL:TempoSrcをSYSTEMにする

テンポに関してはキットのようなSW設定がありません。UTILITYでTempoSrcをSYSTEMにすれば全てのパターンが自動的にTR-8S本体に表示される数字にリンクします。

・パターンの名前を入力する

パターンの名前を設定する(変える)場合は以下の操作を行います。

<パターンの名前を設定する(変える)方法>
① [SHIFT]を押しながら[PTN SELECT]を押す
② [VALUE]ノブを回してから[PTN SETTING:NAME]を表示させてから[ENTER]を押す→名前変更モードになる
③ ダイアルを回して文字を打ちこんでいく、次の文字に移動する場合は[UTILITY]、前の文字に戻る場合は[COPY]を押す
④ 名前が決まったら[ENTER]を押して終了

入力できる文字数は最大で16文字となっています。PCキーボードのような感じで文字を打つことができないので結構疲れます。


今回の内容はこの辺で。そろそろ実践的な内容に入らないといけないような…。
 

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