Roland TR-8Sの使い方⑥ リアルタイムでの打ち込みについて

そろそろ疲れてきた感じもしますのでちょっと手を抜きながら進める6回目です。

今回は前回のステップレコーディングに対してリアルタイムレコーディングをやっていきます。


リアルタイムレコーディングもステップレコーディングも基本的には同じ

リアルタイムレコーディングとはその名の通り『リアルタイムでバシバシと叩いたフレーズを録音するもの』なわけですが、実際のところステップレコーディングと基本的には変わりません。

具体的に書きますと、ステップ入力の場合は[TR-REC]がONであるのに対してリアルタイムレコーディングの場合は[INST REC]がONであるというだけの違いとなります。

 <リアルタイム入力モードにする>
[INST REC]ボタンを押す(※ONになれば赤く光ります)

[INST REC]ボタンは以下の場所にあります。


リアルタイム入力モードになるとシーケンサーの点灯が11までに減少します。この11個がそれぞれのトラックとリンクしており、それぞれのシーケンサーを叩くことで「リアルタイム入力」を行うというわけですね。

サブステップやフラムについても同様です。違いとしてはシーケンサーを「押すのか」と「叩くのか」だけです。 

…というわけで、それ詳しい内容については前回を参照されてください。

<前回の記事>
フィーリングで学ぶぞ!Roland TR-8Sの使い方⑤

ちなみにキットによってはトラック数が11以下のものも存在しますので、必ずしもシーケンサーの点灯が11までいくとは限りません。

TR-8Sにおけるこのリアルタイムレコーディングは賛否が分かれるのではと感じます。

何故かと言いますと「シーケンサーが物理的に硬い」からです。まぁ…ステップ入力の場合はこちらの方が使いやすいので結局のところ『どちらを選ぶのか』という問題になるのかもしれませんが。

一般的にドラムマシンにはウレタン系のパッドが採用されるものですが、TR-8Sのシーケンサーパッドはウレタンの上にプラスチックが乗っているような感じになっています。こうなると「叩く」という作業には不向きと言えます。

たくさん叩くと指が痛いですし、叩くときに発生する打撃音のせいでトラックの音が確認しにくくなります(これについてはヘッドフォンを使えば回避も出来ますが)。

この辺りの救済措置としてTR-8Sには独立した打ち込み用の「インストパッド」が用意されているため比較的なんとかなったりもするのですが、これはこれで微妙な面もあったりします。

リアルタイムレコーディングの注意点

個人的に考えるリアルタイムレコーディングの注意点として以下の2点があげられます。

・インストパッドの用途が限定的すぎる
・クオンタイズのON/OFF設定が無い(?)

うーん…。

・インストパッドの用途が限定的すぎる

これについては、ステップ入力の場合であってもリアルタイム入力の場合であっても『インストパッドを叩けば絶対に録音されてしまう』という点がネックだと感じます。


TR-8Sは必然的にステップ打ち込みに特化した機材なる場合がほとんどでしょう。そうなるとインストパッドの役割としては「トラックにアサインされている音を確認するために叩く」ということが多くなると想像できます。

…で、こうなってくると音を聞いて確認したいだけなのに『インストパッドを叩けば絶対に録音されてしまう』というのは…何と言いますか、もう嫌がらせのような感じになってしまいます。

もちろん「インストパッドを叩いても録音させない状態」にすることは可能です。

これがINST PLAYという状態…要するに「シーケンサーを再生させる+叩いて音を出す」という状態にした『パフォーマンスモード』なわけですが、このモードにするためにはステップ入力モード・リアルタイム入力モードから切り替える必要が出てきます。

この切り替えはボタン1個を押すだけなので労力としての負担があるわけではありません。とはいえ、「モードに関係なくインストパッドの録音機能をOFF」にすること出来ればボタンを押す必要すらなくなるわけでして。

この辺りが今後のアップデートで変わって欲しいと強く感じます。TR-8Sの仕様を考えればインストパッドの録音機能は原則的にOFFであるべきでしょう。

・クオンタイズのON/OFF設定が無い(?)

TR-8Sのリアルタイム入力で叩いたシーケンスは自動的にクオンタイズされるようになっています。

クオンタイズというのは「音の発音位置を自動的に調整してくれる機能」のことです。叩くタイミングがちょっと早かったり遅れたりしても機械が勝手に調節してくれるので『発音のタイミングがずれる』ということがなくなります。

…で、それはそれで結構なのですけれども、どうやらTR-8Sではこの自動クオンタイズが「強制ON」となっているようです。マニュアルをどれだけ読んでも見つからないのでおそらく存在しないのだと思います。

クオンタイズのON/OFFが出来ないというのはユーザーさんによっては「それだけで論外」となる可能性のある部分です。

 

まぁTR-8Sはアナログ機材ですのでクオンタイズされてもごくわずかなゆらぎは発生します。そのため完全に機械的になることはありませんが、この辺りの仕様は購入前に事前確認しておきたいところです。

 

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