Roland TR-8Sの使い方⑫ フィルインについて

何かと疲れている気がするのであっさりと終わらせたい気持ちになる12回目です。

今回はフィルインについてやっていきます。TR-8Sのセールスポイントのひとつにも上げられる中々に便利な機能です。


フィルインとは何か

音楽用語におけるフィルインというのは広義的には「即興技法」のことを指します。

それが時代と共に変化し、現在では『一定のパターンの最後にアレンジを加えること』を指すようになりました。ざっくりと書けば『曲の変わり目に変化をつけること』です。

リズムマシンは基本的にも応用的にも短いループを繰り返すものであるため、長い目で見ればどうしても単調になりがちです。そんなときにフィルインを挟むことで全体の鮮度を保つことが可能になるというわけですね。

一般的なリズムマシンでアクセントを入れようとすると…BDを抜いたり、フィルターを使ったり、フレーズを極端に短くしてロールっぽい感じを作るのが普通です。きちんとやろうと思えばそれこそフィルイン用のパターンを作らないといけません。

しかしながら、TR-8Sでは自動的にフィルインを作ってくれるという便利なのか不便なのかよく分からない機能があります。

便利だけど難しいぞ!オートフィルイン!

オートフィルインはその名の通り「自動でフィルインを入れてくれる機能」のことです。この機能をONにしておけば何もしなくても自動的にフィルインが挿入されます。

機能としての役割は非常に分かりやすいオートフィルインですが、これを使いこなそうとするとかなり難しいことも事実だったりします。

・オートフィルインの使い方

オートフィルインはTR-8Sの液晶画面横にある「AUTO FILL IN」をONにしておけばそれだけでOKです。手動で挿入することも可能になっており、この場合は「MANUAL TRIG」を押します。


中央にあるツマミはオートフィルインのスパンを決定するものです。これは2レングスから32レングスまで選択できます。

説明する必要もないかもしれませんが、フィルインが挿入されるスパンの例をあげると以下のようになります。

・2レングス → ①●①●①●①●
・4レングス → ①②③●①②③●
・8レングス → ①②③④⑤⑥⑦●

黒丸の部分がオートフィルインが挿入される部分です。これについては実際に触れば感覚として理解できるはずですので深く考える必要はありません。

・オートフィルインには種類がある

TR-8Sのオートフィルインはパターンが11種類存在します。

そのうちの1つは「変化無し」という設定なので正確に言えば10種類ですが、それでもかなりの種類があると言えるでしょう。そのようなわけで『何を選んだら良いのか分からない』という問題が発生します。

フィルインのパターンは打ち込んだシーケンスで随時変化するので「覚える」というのは不可能な作業です。こうなると『手動でフィルインを作成した方が良いのではないか』という場合も出てくるでしょう。そう考えるとオートフィルインが便利なのか分からなくなるのも事実です。

…とはいえ、オートフィルインはフリープレイのような感じで使う分には効力を発揮しますので『知らなくてもいい』としてしまうのも勿体ないと言えます。

・オートフィルインのパターンを切り替える

オートフィルインのパターンを切り替える場合は以下の操作を行います。

<オートフィルインのパターンを切り替える>
「ON」を押しながら、A~H、もしくはシーケンサーの⑭~⑯を選ぶ

ボタンの位置は以下ですね。


A~Hで8個、⑭~⑯で3個なので合計11種類です。「変化無し」の設定はバリエーションAなのでこの部分については無視して問題ありません。

この中からどれを選ぶかということについては、結論から書いてしまうと⑯に設定しておくのが最も無難です。他の9パターンの場合は打ち込んだシーケンスによっては「無音」のフィルインになる場合があります。

この辺りの法則性を見つけられないかと試行錯誤もしましたが結局はよく分かりませんでした。
 

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