Roland TR-8Sの使い方⑮ 外部機器との接続について(1)

前回の記事から半年の空白が発生してしまった15回目です。

これだけのスパンが空いてしまうと以前に何を書いていたのか把握するのも一苦労なのだと知りました。いつの間にやらbloggerもよく分からない仕様変更が行われてしまっており二重に面倒だったりします。

今回はTR-8Sを外部機器と接続する場合の基本的な事項について書いていきます。本格的に書いてしまうとかなりの知識が必要となりますので、これについては最後の最後での説明になると思います。


TR-8SをPCと接続する

TR-8SはPCとUSBケーブルで接続することでMIDI情報やオーディオデータのやりとりが出来ます。

TR-8S側の素材として使うサンプルデータをPCから送ることも出来ますし、USBオーディオを利用してTR-8Sの各インストを個別にDAWのトラックに録音することもできます。そのようなわけで必ずしもオーディオインターフェースが必要ではなかったりします。

…まぁ、TR-8Sを購入するようなユーザーさんが「オーディオインターフェースを持っていない」なんてことはありえないと思いますのでさほど気にする必要はないかもしれませんが、USBケーブルでパラアウト録音が出来るということは知っておいて損はありません。

PCとTR-8Sを接続する場合の注意点として、OSが「WIN10」かつ「WINDOWS UPDATEの自動更新を無効にしている」とドライバがインストールされない場合があります。もし上手くインストールされない場合は自動更新を有効にしてからトライされてください。

・DAWソフトをマスターにしてTR-8Sと同期する

ほとんどの場合でこれをおさえておけば十分なのではないでしょうか。

「DAWソフトをマスターにする」というのはDAW側の操作がTR-8Sに反映される設定です。DAWを再生すればTR-8Sも再生され、DAW側のテンポを変更するとTR-8Sもリンクして変わっていく…というような感じになります。ちなみに操作が追随する方をスレーブと呼ばれます。

DAWソフトをマスターにする場合は以下のように設定してください。ここではAbleton Liveを使って設定していきますが、他のソフトであっても基本的な設定は変わりません。


MIDI OUT PUTの「TR-8S CTRL:同期」がONになっていればDAWソフトがマスターになります。

よく分からない場合はMIDI OUT PUTの部分に片っ端からチェックを入れればOKです。それでも上手くいかない場合は「TR-8S」の同期もONにすればOK…のはずです。

・TR-8SをマスターにしてPCと同期する

ケースとしては少ないと思いますが、TR-8S側をマスターにすることも可能です。

この場合は以下のように設定してください。


DAWソフトがAbleton Liveの場合はMIDIの送受信だけでなく「Ext」の部分が有効になっていないとスレーブになりません。

画像を見れば分かると思いますが、MIDI OUT PUTとMIDI IN PUTは重複していても特に困ることはありません。面倒な場合は両方にチェックを入れてしまっても問題なかったりします。

・USBを利用してインストトラックをDAWソフトに送信する

せっかくなので触りだけ書いてみます。

USBオーディオを利用してインストトラックをDAWソフトに送信する場合は、まずDAWソフト側の設定を以下のようにします。


TR-8Sをオーディオインターフェースとして利用するかたちです。この状態にするとオーディオケーブルを使わなくてもパターンの録音ができるようになります。

デフォルトの状態では1/2に全てのトラックがまとめられていますが、KIT内にあるASSIGNABLE OUT/TRIGGER OUTとUTILITY内にあるUSB AUDIOの部分の設定を変えることで任意のチャンネルでの出力が可能になります。


TR-8Sだけを使ったパフォーマンスを行う場合はこの辺りの設定に対する知識があった方が効率的です。

ASSIGNABLE OUT/TRIGGER OUTについてはまたいずれ詳しく書く…と思います、たぶん。

TR-8Sと他のリズムマシン・シンセサイザーと同期する

これについてもさらっと終わらせましょう。

TR-8Sをマスターにしたい場合はTR-8SのMIDI OUT端子と、他のマシーンのMIDI IN端子を物理的にMIDIケーブルで接続します。TR-8Sをスレーブにしたい場合は接続する端子を逆にすればOKです。

他のマシーンと接続する場合は「どの情報まで同期するのか」ということが重要になります。全ての情報を同期してしまうとTR-8Sで打ち込んだMIDIシーケンス情報まで受信してしまうので、スレーブ側のフレーズがぐちゃぐちゃになってしまいます。

これについては機材のマニュアルを確認しましょう。一般的にはMIDIクロックだけ同期させておくのがニュートラルです。

TR-8Sに外部からオーディオ(機器)を入力する

外部からオーディオを入力する…と書くとなんだか難しそうな感じもしますが、これは例をあげれば『TR-8Sを通してiPhoneの中にある曲を再生する』といった感じのことです。

曲に合わせてパッドを叩いて遊ぶようなイメージをすれば分かりやすいのではないでしょうか。特別に難しい要素はありません。

TR-8Sと外部オーディオ機器を接続する場合は背面にあるEXT IN端子を利用します。


基本的にはステレオ入力になると思いますが、モノラルで入力することも可能です。

iPhone等のオーソドックスなオーディオ再生プレーヤーを接続する場合は以下のようなAXU-オーディオケーブルを利用します。


こういったオーディオケーブルに関しては中国系の通販がかなり安価です。1本2本くらいであればamazonで買っても大差ありませんが、ある程度まとめて購入すると結構な差が出てきます。

個人的に使っているケーブルは以下から購入したものです。

中国系通販の最大手であるアリエクスプレスですね。このサイトは価格が安いだけでなく、他のキャッシュバックサイトと連携も可能になっているのでかなりのメリットが狙えます。

アリエクスプレスと連携しているキャッシュバックサイトは以下から登録が可能です。説明書きもついていますので始めて利用する場合であっても困ることは無いと思います。

なんだか脱線してしまいましたが、オーディオをEXT IN端子に入力すると以下のようなことが可能になります。

・サイドチェインをかけることができる
・ゲインを設定することができる
・定位を設定することができる
・リバーブ、ディレイをかけることができる
・出力先を選ぶことができる
・SCATTERをかけることができる
・MASTER FXをかけることができる

TR-8Sをエフェクターのような感じで使うことができて楽しいです。
 

・新しい感じの記事

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