TRAKTORの使い方(19) TRAKTORをオーディオプレーヤーとして使う設定とやり方

今回は小休止的な内容です。

世間的にはサブスクがじわじわ一般的になりつつあるような感じではありますが、ローカルストレージにも当然良い部分はございます。

「DJing」は当然その中のひとつにカウントされるでしょう。好きな曲であっても気分や体調次第でフィルターをかけたくなったりなったりしますからね。

…というわけで、TRAKTORをガチガチのDJツールではなく一般的なオーディオプレーヤーとして使う場合の設定について書いていきます。

ちょっと手間ではありますが…この辺りは仕方がない部分ですね。


・まずはiTunesの設定から

データのトランスポートにはiTunesを使うため、どうしてもここは避けて通れません。

まずはTRAKTOR内でiTunesのプレイリストが表示されるかどうか確認しましょう。確認できる場合はこの部分はスキップしてOKです(※ジャンルの英語化設定についてはスキップしない方がいいかもですが)

プレイリストが表示されない場合はTRAKTORで"Could not find iTunes library!"というメッセージが出てくると思います。このような場合はiTunes側からXMLライブラリファイルを共有設定に変更されてください

まぁ…iTunesのプレイリストが表示されない場合の問題解決方法についてはNIが公式サイトで詳しく説明をしていますのでこちらを参照された方が分かりやすいですね。

・TRAKTORエラーメッセージ: "Could not find iTunes library!"
https://support.native-instruments.com/hc/ja/articles/209552449-TRAKTOR%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8-Could-not-find-iTunes-library-

ついでに書いておきますと、iTunesはジャンルが日本語表記になってしまうエラー(?)が存在しています。これは見栄えの問題だけでなく管理上の問題になってしまったりするので、修正しておいた方が後々のことを考えると便利です。

これについては検索すると色々出てきますが、参考例としては以下のURLが分かりやすいかと思います。

<参考URL>
http://pasokon-syumi.jugem.jp/?eid=18

要するに『iT側にあるLocalizable.stringsファイルの中身を直接書き換える』という作業です。ここがデフォルトで日本語になっているからトラックデータのタグを編集してもiT側で反映されなくなる(ことがある)…ということですね。

ファイルの書き換えが面倒であるなら言語設定を英語にするだけでも一応解決はします。

・TRAKTORをオーディオプレーヤーとして使う流れ

前置きが終わったところで本題に入っていきましょう。

やり方については個人でそれぞれ違うとは思いますが、TRAKTORをオーディオプレーヤーとして使う場合は以下が効率的です。

① iTunesでプレイリストを作る
② TRAKTORでiTのプレイリストを読み込む
③ クルーズモードを使って曲を流す

これがおそらく最も楽だと思います…たぶん。

① iTunesでプレイリストを作る

では、iTunes側でプレイリストを作っていきましょう。

これについては既存のものがあるならそれをそのまま使えばOKなわけですが、そこまでプレイリストを作っているケースは中々無いと思います。

手間をかけずに曲をピックアップするのは「ジャンル」を使うのが楽でしょう。例えばジャズが聴きたい場合はそれをまるごとプレイリストにしてしまえばいいわけですからね。

ジャンルをそのままプレイリストにする場合は「ジャンル」を左側の「ミュージックプレイリスト」の部分にドラックすればOKです。


これでとりあえずプレイリストは作成されますが、このやり方で作るプレイリストは「曲順がドラックした時点のもの」に固定されてしまうというデメリットがあります。

トラクター側でランダム再生というのは出来ませんので、もしランダム再生を望むのであればこの時点で「ランダムなプレイリスト」を作っておく必要が出てきます。

①-(2) iTunesでランダムなプレイリストを作る

…というわけで、iTunes内にランダムなプレイリストを作るやり方も知っておきましょう(※ここではwindows版で書いていますがmacでも同じだと思います)。

まずは左側「ミュージックプレイリスト」の部分を右クリックして(メニューバーからも作れます)、スマートプレイリストを作成します。



上画像がスマートプレイリストの設定画面です。

後は条件付けだけです。例えばですが、Jazzというジャンルの中から曲をランダムに引っ張りたいとしましょう。その場合はまず「ジャンルが」を選んで「Jazz」と入力して…


「上限」にチェックを入れた状態で選択方法がランダムになっていることを確認します。


この状態でOKを押せば、以下のような感じでジャンルに「Jazz」と含まれている曲の中からランダムで選択されたプレイリストが作成されます。

項目は単純に曲の数です。ちなみにですが、スマートプレイリストを利用して「全曲ランダム」なプレイリスト作成する場合は「次の(M)ルールに一致」のところのチェックを外せば作成可能になります。

このような感じでプレイリストを複数作っておくと後はTRAKTORで再生するだけなので大幅に楽ができます。


とはいえ、これについても問題が無いというわけではありません。

何故かと言えば、同じ単語が入っていると「同じジャンル」だと判断されてしまうからです例えば「Jazz」「Modern Jazz」というジャンル分けをしてる場合に「Jazz」で出力をすると両方のジャンルが含まれてしまうわけですね。

この問題を回避するためには手動でジャンルを変更するしかありません。

…と、そうは言ってもジャンル変更は手間ではありません。タグを編集してしまえばいいだけの話ですからね。

タグ編集についてはiTunseではなく「Mp3tag」というフリーソフトがおすすめです(iTunseのタグ編集は上手くいかない場合がけっこうあります)。

Mp3tagは編集作業が強力であることも利点ですが、iTusesからデータをそのままドラック選択できるので「フォルダやファイルを探さなくて良い」というメリットがあります。


データが多いと探すだけでも疲れますよね…。

Mp3tagの使い方については検索すればたくさん出てくるので省略しますが、無視出来ない点として「最新版を選ばない方がいい(可能性が高い)」ということが挙げられます。

Mp3tagの最新版は再生中ファイルのタグ編集が出来なくなっているようです。旧バージョンは再生中であってもおかまいなしに変更出来たのですこぶる便利だったのですが…。

そのようなわけで、Mp3tagを使う場合はオールドバージョンがおすすめです。個人的にはv2.88aを使っています。

② TRAKTORでiTunesのプレイリストを読み込む

①がやたらを長くなってしまいましたが、ここからはシンプルです。

iTunesにプレイリストがある場合はTRAKTOR内に表示されますので、それを右クリックして「import to playlist」を選びます。


一応書いておきますと、iTunesのプレイリストをそのまま使うことは出来ません。

③ クルーズモードを使って曲を流す

プレイリストが出来たら、そのプレイリストを使ってクルーズモードで曲を流すだけです。


クルーズモードについては以下で説明をしています。

<関連記事>
TRAKTORの使い方(11) クルーズモードについて

とはいえ別に参照する必要も無いですかね…。

クルーズモードは最低限「再生中にしかONに出来ないよ」「ONにした時点のプレイリストに同期するよ」だけ知っておけばなんとかなります。

・テンポを変更して再生する(※おまけ)

せっかくDJソフトを起動しているのに普通に再生するだけ…というのも勿体ない話ですので、トラックの雰囲気を変えるためにテンポを変更してみましょう。

テンポを変更する場合は画面上(もしくはDJコントローラー)のテンポフェーダーを上げ下げすればOKです。

これについては説明不要だと思いますが、デフォルトの設定では±8%までしか変えることができません。これでは曲にあまり変化が付けれませんので、設定を変更してもっと大きな変化を付けれるようにしましょう。

テンポレンジの変更は環境設定から行います。TransportのSet Tempo Range Toを変更すればOKです。


微妙にややこしいのは、ここで設定するのは読み込んでいるトラックのテンポに対する「〇%」であるということです。

例えばBPM120のトラックを1/2倍速で聴きたいとしましょう。この場合は素直に50%まで幅を広げればOKですね。計算だと120-(120×50%)=60です。

ただ、倍速で聴きたい場合は不適当です。50%の場合は120+(120×50%)=180となりますので、2倍の240には届かない…ということです。

まぁ実際のところBPMを2倍にするなんてまずありえないと思いますのでどうでもいい部分かもしれませんが、一応目を通しておきたいところではないかと思います。

ちなみにですが、S4の場合はテンポレンジ変更はコントローラーから操作可能です。狭める場合は「SIFT+FLUX」、広くする場合は「SIFT+RESET」となっています。

また、テンポを変更した場合のキーについても目を通しておきましょう。

これについては簡単です。キーを変えない場合はキーロックをON、無視する場合はキーロックをOFFにします。

キーロックのON/OFFについては、画面上の「♪」マークで設定します。


点灯していたらON、消えていたらOFFです。デフォルトの設定ではONになっていると思います。

S4の場合はコントローラーから操作可能です。ON/OFFは「SIFT+PLAY」で変更可能になっています。



以上がTRAKTORをオーディオプレーヤーとして使う場合の設定及び流れ(の一例)です。面倒といえば面倒なのですが、慣れれば1分くらいで済みますのでそう悪い手段でも無いのではないでしょうか。

TRAKTORをオーディオプレーヤーとして使うのはDJコントローラーに慣れるためにも有効だと思います。音を流しているとなんやかんやコントローラーを触りたくなりますからね。

個人的にはアンビエントを延々と流してリミックスデッキを叩いていたりします。このやり方だと最新のS4(mk3?)が適していそうですが、mk2がダメになる気配が全然無いのでまだまだこのままな感じです。
 

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